前夜は、横浜・関内セヴンス・アヴェニューという箱に酒井泰三のギターを聴きに行った。今年8月の寿町フリーコンサート出演時と同じで、金尾義郎バンドに泰三さんがゲスト出演というかたち。ゲストといっても、結局、この日も全編(1時間半近く)弾きっぱなしだったが。
 酒井泰三のギターの音像を形容するとき、たとえば“轟音”や“爆音”という言葉を使うのはもちろん間違ってはいないのだが、それだけでは足りない。でかい音があるからこそ実現するあの太い音の伸びの美しさ、そこが彼の最大の魅力だと僕は思う。硬直した脳が一瞬溶けていくような感覚に陥らせてくれる音。
 この日のようなわりと泥臭いロック系の人たちとやると、ひときわ彼のギターの魅力が分かりやすいかたちで現れるなと思った。