で、前日もノートランクスでライヴを聴く。峰厚介トリオ。メンバーは峰(ts)、安東昇(b)、古澤良治郎(ds)。この組み合わせは初とのこと。
 譜面もなく、3人の打ち合わせもほとんどなく、その場で「スタンダードのあの曲」という感じでサッと演奏が始められた2セット・9曲。
 トリオ編成ということも特にあってか、峰さんからは巨匠が名前で吹いてますといった雰囲気は全く感じられず、緊張感が漂うガチンコの演奏がそこにあった。メロディの立った歌ものも良かったが、ダークなトーンで黒いフレーズをスリリングに紡いでいくテナーに、感覚が吸い込まれてしまう。かっこいいわ。
 そして、軽ーく叩いてるようなのに、やたら抜けが良くて力強くてファンキーな古澤さんのドラムも気持ちいい。ジャズからはあきらかに大きくはみ出した音だが、リズムの快感という点では、ジャズやロックでもそうそうこんなの叩ける人はいないと思う。
 これだけの名人に挟まれて弾くのも相当なプレッシャーだろうと予想できる、若手ベーシスト安東さん。個人的には、江藤良人(ds)のところでゴリンゴリンと獰猛にウッベを弾き倒すという印象が強い彼だが、それから考えると意外にこの日の前半ではおとなしめかなあと思った。もっとアグレッシヴに行けばいいのになと、勝手に物足りなさを感じる。しかし、2セットめでは、古澤さんの叩くビートともうまく噛み合っていた。2セット1曲目のグルーヴが良かった。
 帰りは、40分ぐらいかけて家まで歩いた。