さて前の日も、NO TRUNKSに行った。松風鉱一カルテットのライヴを聴くため。メンバーは、松風(sax)、加藤崇之(g)、水谷浩章(b)、外山明(ds)。6月にスタジオ・ウィーから「private notes」がリリースされたのだが、そのレコ発記念ライヴだ。仕事が終わったのが8時過ぎだったのでそこから急いで店に向かう。しかし到着したときは結局ファースト・セットも終わりのほう。あらら。
 例えば60年代インパルスでのチコ・ハミルトンの作品のような、猥雑で脳天気なジャズロック。この松風クループの大きな魅力のひとつは、そんな感じのユーモアと風通しのよさだと思う。白人プログレジャズ的深刻さもそれはそれでいいのだが、ロックや演歌やポップスなどが尖がりつつもよい匙加減でまったりブレンドされたこの雰囲気は個人的にとても馴染む。言うまでもなくこの4人の演奏家の技量によるジャズ的スリルがあるからこそ、表現としても説得力があるのだが。それぞれが素晴らしいが、外山さんのドラムが8ビートを思いっきり叩くときのグループの飛ばし具合には、興奮してしまった。