で、昨夜もノートランクスでライヴを聴いた。MIYAトリオ。メンバーは、MIYA(fl)、水谷浩章(b)、外山明(ds)。このトリオ、今年の2月にやはりノートランクスで聴いた。そのときは、スタンダードとMIYAさんのオリジナルが中心の演奏だったが、この日はそれに加え水谷浩章グループのレパートリー(エリック・ドルフィーの曲など)もセットに加わっていた。
 フリー的な色はかなり希薄と言っていいMIYAさんのフルートだが、水谷&外山の自由で奔放なリズム隊の音に、上手くのっていく。
 というか、自分はこの日、遅まきながら、外山明の魅力に初めて気付いた。
 外山さんは、例えば本田珠也のようなスネアの鳴り一発で持ってくというタイプではない。あるいは芳垣安洋のようなクラブ・ミュージックにも通ずるバウンシーなビートを叩くわけでもない。だからこそ、自分のようなリズム音痴にはとっつきにくかった。
 しかし、この日の彼のシンバルレガートを聴いていたとき、急にピンときた。例えば4ビートものにおいても、リズムの緩急というか、うねりというか、ものすごくおもしろい変化のグルーヴがつくられていて、それによって、楽曲全体の生き生きとした動きが生み出されているのだ。(逆に4ビートのスタンダードものだったから、シンプルに分かったのかも)
 よく、「ジャズはリズムだ」とか「ジャズはドラムだ」って言われるけど、今までその言葉の本質的な意味を自分は理解していなかった。例えばそれを言い過ぎるあまり、ジャズの醍醐味であるアドリブの妙だとかが聴こえないんじゃないか、とか思っていたのだ。ジャズはダンスミュージックじゃないんだからさあ・・みたいな、狭い了見。偏った耳の使い方。 ここ最近の、エルヴィン・ジョーンズを集中して聴いたり、ジャズ批評のドラム特集を古本で読んだりという経験も、この日得た認識に繋がっているのかもしれない。
 今まで、何聴いてたんだろうと我ながら思うが、しょうがない。