さて、家で夕飯を軽く食べた後は自転車で国立駅前へ。昨日だとばかり思っていた、国立NO TRUNKSでの久保島直樹のピアノトリオを聴きに。
このトリオを僕が聴くのは今年の3月以来、意外に久しぶり。どうでもいいが、僕が初めてまともにジャズのライヴを聴いたのって、昨年の初めぐらいで、実はそのときのライヴって、このNO TRUNKSでのこの久保島トリオだったのだ。そんときは、よく勝手が分からずというか一人でとても時間を潰すことが出来ず、1セットめ終わって帰ってしまったんだよなあ、となんだか懐かしい思い出。そのときを含めて、このトリオを聴くのは4回目となる。おそらく、この店でしか聴くことができないトリオではないかと思う。
久保島さんの音楽性については、NO TRUNKSのマスター村上さんがHPの掲示版でなかなか本質的なことを書いているんで、ちょっと引用したい。

人の良い・・・ 投稿者:ウカタン  投稿日:11月24日(水)22時27分59秒
11月27日(土)今週のライヴ
個性的だ。久保島の作る曲は。昨今ハヤリのビル・エヴァンスもどきの曲ではない。席巻する欧州のドビッシー風でもない。あくまで黒い訥弁である。が、時に観客にサービスをしすぎる。欧州人になってみたり、エヴァンスになってみたり。そこが人の良い久保島だといえば、そうだ!でも人の良い久保島ではなく、鬼気迫る個性的な久保島節を期待してしまうのは私だけだろうか。
久保島直樹key3=是安則克b,藤井信雄ds
寡黙な男の秘めたる情熱が爆発するトリオ。

8年前に発売された久保島さんのCD「THE DOWN」を、先日吉祥寺ユニオンで見つけて購入した(彼が師と仰ぐ林栄一さんがゲストで参加していて、また渋谷毅さんがライナーノーツを書いている。)のだが、今夜はそこに収録されている作品とはまただいぶ印象が違う4曲のオリジナルと、他の人の曲を1曲ずつ交互に演奏する全2セットのステージ。
「レッド・ホット」、マルに捧げた「マル・ウォルドロン」、「オーネット・モンク」、「サークル・ダンス」。これら、上記の村上さん言うところの「黒い訥弁」的、癖のあるオリジナルに耳がかなり行く。
そしてそのオリジナル演奏時のトリオの豹変ぶりにも興奮した。藤井さん(菊地成孔さんともよくやってる人)のポリリズミックで爆発的なドラミング、そこにコレヤスさんのサディスティックなベース(かっこいい!)が絡んで、ハイテンションの熱狂をつくりだす。リーダー久保島さんのピアノは、リズムセクションがつくるものすごいビートに乗っかりながら、見事にドライヴ感のあるソロを聴かせる。フレーズを分解していきながら、瞬間的にまたそれらを寄せ集め、奇妙で美しい響きを構築していく様は、初期モンクにも通ずるユニークさ。
熱く押しまくるピアノも大好きだけど、久保島さんのようなこちらの心に変な引っかかりが残る表現というのも、とても大好き。
ライヴからの帰り道、上り坂でまた自転車のチェーンがはずれかける。