夜は西荻にライヴを聴きに。アケタの店で、店主のアケタさん・セッション。パーソネルは、明田川荘之(p)・早川徹(b)・楠本卓司(ds)。月イチで行われるジャズ若手世代育成のためのセッション、あるいは中央線ジャズ虎の穴企画。今夜は明田川+楠本のベテランにベースの早川が挑む。

セットリスト 
1セット:①不明(ブルー・オカリナ・ブルース?と思ったが違ってた)②クルエルデイズ・オブ・ライフ③テーマ・フォー・ケーシー④マイ・フェイヴァリット・シングス⑤ジャズライフ(?)
2セット:⑥侍ニッポンブルース⑦テイク・パスタン⑧セント・トーマス⑨えび⑩エアジン・ラプソディ⑪マイ・フェイヴァリット・シングス⑫モンクス・ドリーム

4ビートのゆったりめの曲調①でライヴが始まる。テーマでは軽快にオカリナが吹かれるが、エレベということもあってか、ピアノトリオなのに全体的に重厚感がある。続いて②は、最近のアケタさんの曲の中でも最も美メロな名曲だ。マイナーの哀愁メロディ、その点ではアケタ・ジャズ代表曲・⑩の「エアジン・ラプソディ」系とも言える。アドリブでは激情爆発、アケタさんのうなりも冴える。独特のクセというか、においがある日本のジャズ。一方それとは対照的というか、ガチンコでハードボイルドなインプロ全開④はこれまた凄かった(⑪でもリプライズ)。波が何回も何回も押し寄せてきて、こちらの体もググッと前に出る。
先月のアケタ・オーケストラでの演奏を聴いたとき、楠本さんのドラムの音の強弱のつけかたっていうのかなあ?静と動のコントラストっていうのかなあ、そういうのがすごく巧いなあ、いいっすねえって思ってたんだが、今日だと特に⑧の中でのソロが印象的だった。メロディが聴こえてくるドラムだ。
ベースの早川さんは名ドラマー古澤良治郎さんとこの人。4日前に聴いた(やはり古澤門下生の)酒井泰三「3355」でも早川さん実は弾いてたが、今日はそのときとは全く違うジャズモード。そしてその古澤さんの曲⑨は、だいぶアケタ色に染められてたが(笑)、すごく味のある曲だった。
全体の感想としてだが、例えば⑩でもそうなのだが、普段ならホーンでサビだとかを押し出すところを、今日はアケタさんがピアノでそのへん全部やってたりするわけで、そのぶんなんつうか濃かった。明田川さんのパフォーマンスにおいては、ソロこそがもっとも醍醐味あるんだという人ってけっこういたりする。それは、その濃さにはまれるかがポイントなんだろうなあ。