さて今週だが、月・火と連続でライヴを聴きにいった。月曜は荻窪グッドマンにて「鎌田雄一プレイズ・マイルス」。火がアケタの店にて千光士実+伊藤啓太+西尾賢のトリオ。
毎月一度マイルス・デイビスの曲を固定のカルテットで年代ごとに演奏していくというユニークな企画の前者。サックスの鎌田さんはこのインプロヴィゼーションの巣窟荻窪グッドマンのマスターでもある。で、この夜は「ライヴ・イーヴィル」、「オン・ザ・コーナー」、「ゲット・アップ・ウィズ・イット」というエレクトリック・マイルスど真ん中なアルバムからの選曲。鎌田カルテットはサックス(アルト・ソプラノ)とピアノ・キーボード、エレクトリック・ベース、缶詰の空き缶なども利用したパーカッションというとてもこの時代のギドギド・ドコンドコン・ギュワギュアワーンなマイルスの世界を表現するには、かなりシンプルすぎる編成であって、いったいどうなるのかなあという興味が非常に僕はあった。結論としては、音の厚みや重さという点では当然に限界はあったものの、勢いと妖しさと混沌という音の雰囲気はとてもよく出ていて、おもしろかった。特に「ゲット・アップ・ウィズ・イット」からの3曲、「レッド・チャイナ・ブルース」、「レーテッド・エックス」、「カリプソ・フレリモ」はかっこよかったなあ。