元旦はCD鑑賞。実家にはなんとCDを聴くためのプレイヤーがなく、CDウォークマンでずっと聴いていた。①ブッカー・アーヴィン「ザ・ブルース・ブック」、②レニー・トリスターノ「トリスターノ」、③スタン・ゲッツ「ザ・コンプリート・ルースト・セッションVOL.1」そんなところ。まず①のブッカーのテナーの惚れ惚れする吹きっぷりに感動する。このアルバムは全4曲で、特に1曲目と3曲目が素晴らしかった。2曲とも約15分ぐらいの長い曲で、冒頭2コーラスほどのテーマのあと各人のソロが始まり、最後はテーマで締めるというシンプルな構成。その中でリーダーのブッカーは何コーラスか分からんぐらい長いことソロやってるんだけど、これがまったく飽きない。コルトレーンのような凄みでこちらを圧倒するのではなく、ノリでこっちをグイグイ持っていく気持ちいいブロウ。スピード感とドライヴ感とスリルがとにかく味わえるのだ。ジャズは癒しとかとは関係ない音楽なんだとこの演奏を聴いてあらためて思った。これを聴いた後での③が物足りない感じがするのもしょうがない。まあこういうのはこういうのでまた良さを発見する日がくるんだろうが。②のトリスターノは、後半のリー・コニッツと共演している作品よりは、前半の変な曲に耳がいく。
1月2日は、手塚治虫の「ブッダ」全8巻を読みきる。1冊約1時間、全8時間。中学のとき読んで、まあ内容全部忘れていたんで読むかなあと思いたったわけだが、結論としてはいまいちだった。話にまとまりがないのは、長期連載だったという状況からもやむを得ないのだが、何というか「火の鳥」1編を思いっきり薄めて長ーくしたような感じで、読み疲れた。手塚作品の長編では「陽だまりの樹」が最も好きだ。
1月3日、つまり今日は夕飯まで実家に滞在していた。昼から酒飲んでた。あとはCDを聴く。①スパノヴァの新作②大友良英ビル・ラズウェル芳垣安洋の「SOUP」③SION「SONGS」。①→生音をうまく取り入れたエレクトロニカで、音数がけっこう多いのがちょっとしたゴージャス感をうみだしている。②は①が切り捨てたあるいはそもそも持ち合わせていない暗黒の部分を音として具現化したノイズとグルーヴの傑作。①が決して良くないというわけではない。しかし②に居心地の良さを感じてしまう自分というのは結局音楽を情と思想で聴いているのかな、そんなことを思ってしまう。③は声にびびる。すごい。