バブバブ、オーネット、国立パワージャズ２００８
休み。ＮＨＫのＢＳで９時から放送している黒澤明「赤ひげ」が思っていた以上におもしろくかなり引き込まれてしまっていたのだが、開始一時間を過ぎたころ娘を寝かしつけなければいけなくなり中断。風邪、ではないのかもしれないが、今日は彼女は咳をたまにしていて気になる。もっとも熱もなく本人は元気そうで機嫌もよいので心配ないのかもしれない。で、その娘だが、一昨日ぐらいから、急に「バブバブ」「アブー」と典型的な赤ちゃん言葉を発するようになって、軽い驚きとなんともいえないくすぐったい心持を覚えたというか、要するにものすごく可愛いなあと思った。今までのアーとかウーとかヤーよりも、バとブの響きは数段上ににこちらの心を動かす。「アバブブ、バブブブブ」とかやられたらたまらんです。
１０月初めぐらいからだが、通勤、帰路、休憩時間、家にいるとき、音楽の９５％以上はオーネット・コールマンしか聴いていないという異常事態が続く。まるでロックに目覚めた中学生のときのように、初リーダー作「サムシング・エルス」から順々にＣＤを買いそろえじっくり聴いている。６０年代初期アトランティック黄金カルテット時代の「ジャズ来るべきもの」、「世紀の転換」、「ディス・イズ・アワ・ミュージック」、その前、コンテンポラリーの「明日が問題だ」もそうだな、そのあたりはこの１０月どれぐらい繰り返し聴いただろうか。当然、ダブル・カルテットの長編「フリージャズ」も何度も聴いた。曲がかっこいいし、オーネットの力強く艶のある音色のアルトサックスが吹き出すメロディーの創造性と飛躍力、それでいて馴染みやすいところにめちゃくちゃ惚れた。こんなすごい音楽をまともに今まで聴いていなかった（聴いてたけど良さを心から気付かなかった）なんてもったいなかったなあ、でも３０代半ばで遅いっちゃ遅いけど、自分の感性のためにはこの素晴らしさに目覚めたのはすごくよいことだよなあと、充実した心持ちだ。
それらコンテンポラリーとアトランティック・レーベル時代でのオーネットの音楽の圧倒的魅力にどっぷりはまり体感した後に、その後に続くデヴィッド・アイゼンゾンとチャールズ・モフェットとの最高峰トリオを聴けば、トリオの音楽に対する興奮も何十倍にも高まる。トリオの偉大さがよくわかる。このトリオの音楽は美しいとしか言いようがないというところに行きつく。カルテット時代の殻を破ったオーネットの長尺のサックスのソロ。これがほんとに次元が違うというか、曇った「ジャズ」の耳で聴いていてはずっと琴線に引っかかることがないのではと思えるほど、ジャズのかたちをしているようでジャズのかたちをしていない。ようでいて、これこそが本当のジャズだと確信できる明快さと深さを持った音であるのだ。なんなんだろうか、この素晴らしさ。いつまでも浸って打ちのめされ続けたい。「全ジャズを通じて最大の存在を挙げろと言われたら、ルイ・アームストロングとオーネットと答える」油井正一が４０年前に、そう断言していたことがようやく意味が分かった。「ゴールデン・サークル」２作、「チャパカ組曲」、「タウンホール１９６２」、「クロイドン・コンサート」、いずれも、もう何度でも聴いて大興奮しますね。ジャズを聴き始めてもう６年といったところの自分だが、このオーネットの魅力に気付かなかったなんて、６年のうち半分いやそれ以上は、実はただダラダラとなんとなく聴いていただけなんだなあ、結局。ジャズ内で見つけた喜びではなく、根本をなにか変えてしまうような劇的な体験をしているようなここ最近である。今日はようやく７２年「サイエンス・フィクション」ぐらいまできてます。
国立パワージャズ２００８！！
今年も開催！今回の出演アーティストもすごいです。行きましょう！
http://powerjazz2008.web.fc2.com
<日時> 2008年11月30日（日） 15:00 〜 19:00 （14:30開場） <会場> 一橋大学兼松講堂 <出演>
第1部 15:00 - 16:00
第２部 16:30 - 17:30
第３部 18:00 - 19:00
渋さ知らズオーケストラ<チケット> 一般 前売： 3,500円 当日： 4,000円
学生 前売： 2,500円 当日： 3,500円 <チケット取扱い>
NO TRUNKS: 042-576-6268
国立楽器北口本店: 042-573-1111
国立楽器サロン・ド・ノアン: 042-580-3210
国立地球屋
ここたの（国立富士見台むっさ21内）: 042-573-3444
白十字: 042-572-0416
ローソンチケット
0570-000-407（オペレーター対応）
0570-084-003（Lコード予約: 33025）
インターネット予約 （PC・携帯共通） http://l-tike.com
ローソン店内Loopiでも直接購入いただけます。
＊学生チケットを購入された方は、当日入場の際、学生証の提示が必要となりま
す。 <主催> MusiA <特別協賛> NO TRUNKS／TOKYO NEW JAZZ FES. <後援> 国立市／国立市教育委員会／くにたち観光まちづくり協会／国立市商工会／国立市商業協同組合／くにたち文化・スポーツ振興財団
