ネガティブサン、読んだ本とか

 買ったときにチラッと聴いてそのままにしていた「[rakuten:asahi-record:12250683:title]」を聴いて一人盛り上がる。ちゃんと向き合ったら、気づいた。いやあ、これはかっこいいのではないだろうか、相当。29日(土)の国立ノートランクスでのジャズ新譜大会でもかけます、ぜひ皆さんいらしてください!→ http://notrunks.jp/
 最近はYouTube松村邦洋安倍晋三のモノマネを見ることが日課になっている自分だが、件の自民党総裁選・内閣人事に関するマスコミの無批判な垂れ流し報道には腹が立ってしょうがない。なんなんだろう、国民に関係あるのはテレビの評論家が語るような政局的なものではなく政策でしょう、といういかにも正論な思いも無効化してしまう無思考ぶりが蔓延している。テレビ見てる視聴者なんてどうせ馬鹿だろうぐらいにしか作り手も考えていなくて、しかもそれが実際に噛み合ってしまっている状況が、普通に目の前を過ぎていく。
●最近読んだ本

映画『太陽』オフィシャルブック

映画『太陽』オフィシャルブック

 近くの古本屋で買う。ツタヤで借りた映画のDVDに関しては、途中2度ほど寝たが、なんとか見た。この本では森達也たちの対談が最も実際的で興味深く読めた。なんだろうなあ、左なサブカルにおいても、例えばユリイカとか好きな人が好む言説空間ってのには自分はピンとこなくて、もっとリアリズムな話を聞きたいし読みたいと思う。大塚英志とかが好きなのは、そういう点だ。皇族を取り上げた映画・テレビドラマのリストも眺めているとおもしろかった。
[rakuten:book:12153747:detail]
 電車や喫茶店でこれを読んでいるのを周りから見られると正直恥ずかしかった。そして、その恥ずかしさに耐えてまで読む価値は正直なかったと読み終えた時点で思った。内容・情報量の少なさが最大の不満。資料的な価値がない。
楽園 上

楽園 上

楽園 下

楽園 下

 宮部みゆきはもう才能が枯渇してるんだろうなあというのはみんな思っていて、今回のこれを読んでもその思いはやっぱり覆されない。「でも読みやすいし、うまくまとまっているのはさすが。ちょっとジーンとくる場面もある。」、結局はそんな後ろ向きな感想しか出てこなかったりする。
[rakuten:book:11220157:detail]
 宮沢章夫の「80年代地下文化論」を読んで、スネークマンショーってどんなもんだろうかと思っていて、たまたまブックオフでこれが売ってたので購入。時間の経過による風化に耐えられていない部分もないことはない。小林克也ってこんな人だったんだ!と新鮮な驚きがあったのが一番の収穫だろうか。その辺りの違和感から探っていくのが自分にはいいのかなとも思う。

●行ったライヴの感想
 一昨日の日曜の夜は西荻窪アケタの店へ。札幌を拠点とするグループ、ネガティブサンのライヴを観るため。
 メンバーは、秋田祐二(el-b)三輪雅樹(ds)石田幹雄(p)、ゲストで石渡明広(g)。
 話が遡ってしまうが、6月にやはりアケタで、このバンドの石田幹雄のリーダートリオのライヴを観た。前情報もほとんどなく、「札幌のなんかおもしろいトリオが来るらしいよ」という噂だけで行ってみたライヴだったが、もう演奏を聴いてぶっとんだ。音や佇まいでまず直感的に頭に浮かんだのは、原田依幸であったり、昔の山下洋輔トリオだった。今こういう音楽をやってる人たちがいるのか、いや、こういう音楽をやれてしかもそこに説得力をこれだけこめられる人たちがいるのかという、インパクトにやられた。しかも彼らは若い、ドラムが18歳で、他の二人も20代中盤。
 おそらくはそれほど大きくはない札幌のジャズ・シーン、ちゃんとしたジャズ・シーンで、こういうストイックで強い信念を持ったジャズをやってる人たちがいるという事実、そこから生まれてくる可能性に自分はドキドキして、そしてなにか焦りさえも覚えた。 
 「やっぱりジャズは昔のやつがおもしろいんだよねえ・・」なんて、つい分かったようなことをたまに口走る自分がほんとに恥ずかしくなった。鈍った自分の感性を正当化することほどみっともないことはない。
 その石田幹雄が自身のトリオと並行して力を入れているグループが、このネガティブサンで、今回は、彼らの初の東京でのライヴになる。
 演奏が始まってから最後まで、もうかっこよさに身を乗り出しっぱなしだった。
 印象としては、この前の石田トリオが70年代の山下トリオ的な、純度を極めることに音の方向性を求めているとしたら、このネガティヴ・サンは生向委以降の、多彩・雑多な音楽のアイディアと要素を散りばめながら、それらを飲みこんでバンド固有の独自な音楽にしてしまうという方向性を持っているというか。変でおもしろい音楽だけど、観念的にならず、すかしてもいない。なにより力と勢いで押し切ることでのカタルシスを体現できているというのが素晴らしい。
 こういうバンドを聴ける機会が多い札幌の人たちがうらやましいと、真剣に思った。