旅路に季節が燃え落ちる

 仕事は22時過ぎまで。夕飯は新宿駅前でラーメン定食を食べる。頼んでから食べ物が出てくるまでがたしかに遅かったけど、俺の前に座ってた長髪のデブのおやじが店員の姉ちゃんを思いっきり怒鳴っていたのにむかつく。しょうがねえだろ、大変なときは大変なんだから。餃子定食なのに餃子が出てくるのが遅かったなんて小さいことぐらいグッとこらえてくれよ、おっさんなんだから。あんたが怒りを向けるべきところはもっとあるでしょ。
 話しまったく変わって、例えばipodでシャッフルしていてピアノトリオもので必ずオッ!と耳に引っかかるのは、やはり70年前後のチック・コリア作品だ。チックの極めて天然ものの、強靭でしなやかで躍動的なピアノの音に身体が即反応してしまう。このぶっとんだリズム感覚ってのはいったいどこからきてるんだろう。フリーっぽいことやってても何でも、常にグルーヴが渦巻いているというか。「A.R.C.」と「Now He Sings Now He Sobs」は一生聴けるな。「もう最高、すごいロマンティックだね。どうしようもなくいいね。」、古本で70年のスウィングジャーナルを読んでたら、ドラムのジョージ大塚がそんなふうにチック・コリアを大絶賛してました。というか、この頃のジャズって無条件にすごいって言い切れる作品が、どうしてこんなに多いんだろう。というか、2006年も押し迫ったところで、いまさらチック・コリアのことを熱く語ったからってどういう意味があるのだろう。
 と、酒飲みながらものすごく久しぶりにイースタンユース旅路ニ季節ガ燃エ落チル」の「夏の日の午後」を聴いて、暗く盛り上がりながらこれ書いてます。