寒い休日

 休み。昼過ぎに家を出て、多摩センにあるシネコンで映画「トゥモローワールド」を観る。平日の昼間だから当然なのか、自分も含めて客席には6〜7人ぐらいしかいない。館内は暖房も効いていなく思いっきり寒い。と、そんな環境で観るとなおさら落ち込むというか重くなってしまう作品だった。終わって映画館を出てみたら雨も少し降ってるしやはり寒いしと、強烈に暗さと不安が倍増。無意識で、なぜかデビット・ボウイのレディ・スターダストを口笛で吹いてしまう。
 先週の22日は、国立駅前のジャズバー、ノートランクス開店5周年記念パーティ。この日のノートラはジャンルレスでCDかけてもらい放題ということで、バットホール・サーファーズの「Independent Worm Saloon」(93年)やらピート・ロックやらを持参し、リクエスト。アルティックA7からの爆音バットホールが特に最高。Independent Worm Saloon
 この店でレギュラーでロックの特集をされている崎間さんと話してたら、「バットホールね、アメリカでライヴ観たけど、あいつらめちゃくちゃテクニックあるんだよ!!」と力説されていた。ちなみにこのアルバム「インディペンデント〜」はツェッペリンジョン・ポール・ジョーンズがプロデュースをしている。
 ZEPつながりで書くわけではないのだが、昨夜はピットインに清水くるみZEKオーケストラを観に行った。
 メンバーは、清水くるみ(p)、早川岳晴(b)、本田珠也(ds)、渡辺隆雄(tp)、林栄一(as)、片山広明(ts)、松本健一(bs)、セカンドセット飛び入りで臼庭潤(ts)。
 中央線ジャズの中堅からベテランのオールスター状態。このメンツで全曲レッド・ツェッペリンをやる。
 1年ぶりぐらいで観たZEKオーケストラ。2年半前の結成当初の、いい意味での力技の感覚とはまた違い、ミュージシャンが各々いい具合の個性を爆発させる余裕が出てきている。細かい見所・聴きどころが増えている。
 ぶっつけ本番的にせーの!でやってみて大成功ってのがこれまでのZEKオーケストラだったとしたら(いやそれはそれで非常にジャズ的ではあるのだが、)、何かその先が見えてきたようなこの日のステージ。これでまた半年後とかってのがもったいない。本来なら年1〜2回だけではなく、そう、例えば渋オケみたくレギュラー化すれば練れてきて絶対おもしろいのに。清水の意欲的なアイディアが生かせるのに。いや、おもしろくったって、そうなかなか軌道化させられないってのが、現在のジャズの状況の難しいところでもあるのかもしれない。
 本田珠也や松本健一に煽られて燃える片山広明のテナーとか、中期ツェッペリン的雰囲気なセカンドリフが響くなか吹きまくる林栄一とか、それがフロントの管軍団といい相乗効果になっている手のつけられないつんのめるピアノトリオとか、ほんともっと聴く機会がほしい。