グッドマン楽団のクリスチャン、週刊朝日のモラスキー

 仕事は21時まで。家帰るあいだのipodでは、「ザ・ジーニアス・オブ・ザ・エレクトリック・ギター」の1枚を聴く。チャーリー・クリスチャン、べニー・グッドマン楽団在籍時の音源(1939年〜40年ぐらいの録音)。
ザ・ジーニアス・オブ・ザ・エレクトリック・ギター
 よく言われる“レスター・ヤングなどの影響を受けたホーンライクな斬新なギターソロ”的な(ビバップ的な)部分はここではそれほどなくて、スウィング・イディオムのギターが中心。しかし、クリスチャンのギターのタイム感覚(グルーヴ)や黒い雰囲気が、グッドマン楽団のバンドサウンドを尖がったものにしていて、けっこう燃える。
 以前、三田格という人が、“パーカーの音楽(たしかヴァーヴの「ナウ・ザ・タイム」)とグレン・ミラーの音楽の区別がつかない”ってことを、菊地成孔との対談で語っていたことをなぜかふと思い出す。シャレなのかもしれないが、音楽評論家と名乗る人でもジャズにとりわけ興味がなければへえこんな感じなんだなあと思った。柔軟なのか硬直してるかっていったら、あきらかに後者のような気もする。いや、音楽のどの部分を聴くかという価値観の問題だろうか。(結局、三田氏はマイルスの「オン・ザ・コーナー」だけには反応してた。)
 帰り道にいつも立ち寄るコンビニで、おやじ系週刊誌などを立ち読み。週刊朝日を見てちょっと驚いた。「戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ」のマイク・モラスキーがなんと3ページに渡って特集されている。清水くるみさんや明田川さんのコメントも載ってるし、何よりおもしろかったのが、アケタの店のステージ風景がでかでかと掲載されてることだった。(ピアニストでもあるモラスキー氏のライヴ写真として。)