南武線京浜東北線を使って、石川町駅に向かう。目的地は寿町。昨年も行った寿町フリーコンサートを今年も聴くため。
 夕方の5時前に会場に到着。ファンキーな雰囲気の祭り、いいっすね。何組目かのバンドの演奏がステージではちょうど始まるかというところ。そっちも気になるが、ひとまず、とりあえず、ビールだビール。と、露店で缶ビールを購入し一気に飲む。思い起こせば、昨年もこんな感じのペースで酒を浴び、帰りにめちゃくちゃ泥酔したのだ。明日は俺仕事だよ。
 地元のおっさん・おばさんがステージを楽しそうに眺めている横で、自分もバンドの演奏に耳を傾ける。このバンド「花&フェノミナン」って名前は聞いたことがある。アジア的でもありヒッピー的でもある佇まいとはどこかギャップのある、青春パンクテイストなストレートな楽曲。30おっさんの俺には、爽やかすぎるかもなあと思いながら、早くも2本目の缶ビールを飲みほした。
 さて、次が金尾義郎バンド・ウィズ・酒井泰三(g)。泰三さん、昨年に引き続く寿町コンサート参加。
 あのでかい轟音が野外で鳴ってるだけでもう勝ちって感じもするが、その予想・期待以上にぶっ飛んだそして的確にツボを抑えたギターが鳴り響く。シンプルなブギ/ブルース・ロック然したこの金尾バンドのレイドバックな音楽が、泰三さんのギターが入ることで、一気にギラついた黒光りする危険な音楽に変身するのだ。
 踊りながら、酒飲みながら、興奮して思わず、「よっしゃあ!泰三いけー!!」と、ステージに叫ぶ自分。なんかこの夏で一番バカみたいに楽しいなあと思えた瞬間だった。いい具合の解放感。
 で、その後がマーガレットズロース友部正人→友部&ズロース。このへんは酒がだいぶまわっていて、正直曲名とか覚えていない、・・・って昨年とまったく同じ展開だ。
 しかし友部さんが弾き語りで歌った「朝の電話」。これが素晴らしい。高田渡さんが亡くなった日のことを淡々と優しく歌う友部さん。祭り全体がジーンときているような、そんな静かな暖かい雰囲気にグッときた。