その後は、自転車で国立→中央線で高円寺。ライヴハウス・ジロキチに酒井泰三のバンド・3355の演奏を聴きに行く。
 自分がこのグループのライヴを体験するのは、もう5回目ぐらいかな?今日はバイオリンの太田恵資さんではなく、パニックスマイルやデートコースでも弾いてるジェイソン・シャルトンさんがゲストで参加。同じギターの泰三さんとの音の対比、おもしろい。
 3355のような打ち合わせほとんどなしのインプロは、この前発売された芳垣安洋&フェルナンド・ソーンダース「Devotion」での名演でも分かるように、酒井泰三にとって独壇場。そこにはあの独特な質感を持ったギターの爆音がこちらの耳を常に落ち着かせないということがまずあるのだが、同時に、楽曲のエネルギーのベクトルを加速させる彼のギター・テクニックも見逃せないと思う。ノリをつくりだすセンスというか。言ってみれば、そのセンスを思いっきり剥き出しにしようというのがこの3355というグループのコンセプトなのだ。
 そういう意味で、このバンドのリズムの響かせ方、特にターンテーブリストのDJ高田さんの存在ってやはり重要になってくる。ブレイクビーツを基にしたかっちりしたバンドサウンドというよりは、寄せ集めてぶちこんでグルーヴをつくりだすというこのバンドの方針からすれば仕方がないのかもしれないが、この日はスピーカーなどのサウンドシステム上の限界から、タンテから出てくるドラム音がバンドの爆音に埋もれるときがあるかなあとも正直思った。現実的に(たとえば機材的に)難しいのかもしれないが、ブレイクビーツのズンズン感というかバキバキ感がもっと浮かびあがれば全体的なグルーヴの変化が今以上にダイレクトに感じられるような気がする。
 さて、個人的に今日特に印象に残ったのは、ベースのナスノミツルさん。ときに力技のソロも弾いたり、ファンキーなリフでグルーヴの軸をつくったりと、こちらをとにかく興奮させてくれた。