15日の夜、名古屋のジャズの老舗ラブリーで観たのは、板橋文夫カルテット。メンバーは、板橋文夫(P)・竹内直(ts)・望月英明(b)・森山威男(ds)。本来であれば、ここにアルト・サックス林栄一さんも加わるはずだった。客席は80人以上入ってたと思う。満員。
 東京ではあまり聴ける機会がない森山威男の演奏。僕は初めてのライヴ体験になる。板橋さんとの共演ということであるからかなり煽りまくるのかな?というこちらの期待にも十分応えてくれた熱いステージだった。曲は森山グループ時代の定番レパートリーがほとんどで、渡良瀬、グッドバイ、サンライズ、ハッシャバイ、多分みんな演ってたな。
 森山さんのドラムの音って非常に気持ちがいい。バスドラが高速で連打されパルス的に轟くグルーヴ、なんだかそこには一種の歌心も感じられ、今さら言うことではないが、かなり独特な音出す人なんだなと感銘を受ける。
 板橋文夫のピアノは、普段よりも真ん中のジャズという印象。豪腕の裏にピッタリと背を合わせている彼の最大の本質であるロマンチシズム、それが前面に立った演奏だった。
 個人的にこの日のベストは、ファースト・ステージラストのおそらく「エクスチェンジ」。何が良かったって、竹内直のテナー・サックスで、循環奏法によって構築された密度の濃い音の世界が、3人の強力なリズム・セクションと見事にスウィングするのだ。こういう音聴いてると、自分の脳が異常に活発に動き出すのが分かる。
 ちなみにこの日配られていたチラシによると、5月の大阪での「春一番」というイベントで、山下+坂田+森山の山下トリオが復活するみたい。