この日のメンバーは、酒井泰三(Vo,g) ナスノミツル(b) 佐野康夫(dr)シャーリー(hbb)。ちなみに「hbb」はヒューマンビートボックスの略。
 まず、久々に聴いた佐野さんのドラムの演奏のキレと緻密さに興奮した。弛むことなく続くビートの要所で、スコーンスコーン!といい感じに音が入ってくる。惚れ惚れする。ナスノさんのベースはウニョウニョとファンクで重く、しかし多彩な音色も聴かせていた。このリズム隊のグルーヴは予想以上にかなりのものだ。で、そこにフロントの泰三さんのあのギターが絡むと、もうものすごい爆発力。
 先月の古屋杏子さんとの共演では、絶妙な歌心とも言えるものを披露してくれた泰三さんのギターだが、今日のような爆音・轟音全開のときでも、常にギターは自由に歌っている。そして、中〜低音域をガッシリ掴んだままギョウィーーーーンと伸びるギターのトーン!やっぱ、俺好きだ、この音。
 さて、hbbのシャーリーさん。今日は口とマイクだけではなく、ハーモニカなんていう飛び道具も登場していた。2月に聴いたときにも書いたが、彼のネタの中では、無機質で機械っぽい系の音が絶品。個人的には、ヒューマンビートボックスって、チルアウトというか静かな音像の中でものすごく映える音だと思うんだが、どうだろう。そう意味で、こういう爆音の渦に対応するにはちょっと不利な面もあるかもなあとも感じた。

 2時間近くかけて家帰って、ノートランクスHPを覗いたら、明日名古屋の森山威男クインテットで聴く予定だった林栄一さんが入院というニュースを知ってびっくり。心配です。
 もうひとつ、ノー・トランクスHPでの大西順子復活記念のレヴュー、すごい。なんというかもう常軌を逸する勢いで、大西順子への思いが切々と熱く濃く書き綴られている。大西さんが林さんを慕っていたなんてエピソード、初めて知った。