さて、ipodではBrandon Rossの①「コスチューム」、Craig Tabornの②「Junk Magic」、Innerzone Orchestraの③「Programmed」その他を聴いていた。


①はもう何度も何度もリピートしてる。いわゆるジャズ系のギターソロ作品あるいはジャズ系ギタリストのリーダー作品をイメージすると全く肩すかしを喰らう「コスチューム」。もっとも自分の中でそういった「ジャズ系ギター」の比較対象ってサンプルなくて、それこそビル・フリーゼルとかパット・メセニーぐらいしかないんで、語れる要素がない。しかしそれでもあえて言えば、ブランドン・ロスのこのアルバムはおもしろい。ブランドン自身はカサンドラ・ウィルソンのとこなんかで仕事をしてたりという人なんだけど、この初ソロ名義アルバムには、ポップな感触や雰囲気は希薄だ。アコギのメロディは小奇麗なようで捉えにくい奇妙な動きを見せる。あらかじめ想定された秩序や美学からは離れた、ナチュラルで深遠な音。そして、いわゆる音響系のギターの人とはまったく違うブラック・ミュージックの雰囲気、たとえばカントリー・ブルース的な生々しさ・荒々しさに同居した美しさ、そういったものがここにはある。


デトロイト・テクノの中心人物カール・クレイグの99年の作品③「プログラムド」だが、収録された「AT LES」という曲での美麗なピアノは②クレイグ・テイボーンが弾いていたのだという事実は、かなり今の自分にとってはでかい。クレイグ・テイボーンと言えば、ここであるようななんだかまさに「尖がったジャズ」系あるいは雑誌「ジャズ批評」好みとでも言うべき作品でここ数年活躍しているピアニストなわけだが、僕も含めた精神論的音楽が好きな人間にとっては、ニューヨークの現在進行の先端ジャズとデトロイトの融合の先に何か新しいものがあるんじゃないか!?とついつい興奮してみたくなったりするわけだ。まあ現実は、カール・クレイグのその作品はもう5年以上前の作品だし、断片的事実だけで捉えたいつもの妄想である。


新幹線を降り、東京駅から中央線に乗って御茶ノ水に降りた。学生時代たまに行ったファースト・キッチンが潰れていたことに驚く。茶水ユニオンでは、1時間近く迷った末、以下の2004年発売作品3枚を購入。
Rudresh Mahanthappa「Mother Tongue」、Ivan Paduart Trio「ブルー・ランドスケイプス」、Kresten Osgood「ハモンド・レンズ」。どれもちょろっとしか聴いてないが、最後の北欧のクレステン・オズグッドという人のドラム、グルーヴ感すごいわ!自分の中ではパル・ニルセン・ラヴちょっと超えちゃったかもしれない。