昨夜は高円寺ジロキチで「3355」のライヴを聴く。パーソネルは酒井泰三(G)、 DJ高田、太田恵資(vlin) 、ナスノミツル(b)、 福島紀明(dr)。ちなみに今月12日にある横浜寿町フリーコンサートにこのグループは参加する。非常に行きたい。友部さんも出るしなあ、仕事強引に休むかな。
客入れ時と休憩時にステージでDJ(高田さんではない)がまわしていたが、普段のジロキチであんまりこういうのはやらないだろうなあ。どうせならテーブルと椅子も撤去しちゃってスタンディグにしちゃえばもっと雰囲気出たと思うが、いろいろとあるんだろう。
で、本編の方だが、1セットめと2セットめの印象がけっこう違った。
1セットめ。それぞれがお互いを探りながらの緊張感があるインプロが続く。基調としてはファンキーだが、グルーヴとして持っていかれるというよりは、そのめまぐるしい変化をこちらが追っていくという感じ。バンドの音に絡むターンテーブリストのDJ高田さんのプレイは派手なネタというよりは、余分な肉を削り落とした鋭いブレイクビーツ主体のストイックな雰囲気で、そのブレイクビーツを基にバンドの音が展開していくという様相は、ニューヨークのサースティ・イヤーのブルーシリーズとも通ずる感触。他の泰三さんのユニットとはあきらかに違ったベクトルの、制約をあえて設けることで生まれる解放感の追求というか。刺激がものすごくあった。しかしどうだろう、例えば寿町でワッショイワッショイ盛り上がるには、やや複雑かなあという印象がないこともない。
そんなことを考えながら、短い休憩を挟んで始まった2セットめだが、ここからは雰囲気が一変。おなじみ「太田のトルコ」で始まり、あとはもう最後まで全開だった。1セットめに比べはっきりと前面に出て、はっきりとグルーヴの柱となっていたDJ高田さんのブレイクビーツ。ここに他の4人が本能で乗っかるという感じで、爆音がハイテンションでイケイケでファンキーにうねる。前述した制約、梃子としての制約がものすごくいい具合に働いている。特に泰三さんの野放し大音量大暴音のギターがこのミニマル的なビートの制約があることで、かえって焦点を定められたかたちで、本質を引き出されていたように思えた。椅子に座りながら体が自然に揺れるというレベルではなく、頭空っぽにして踊りたくなったほどだった。
スタンディングの店、クラブでこのユニットの音を聴きたい。と言うか、12日に寿町に行って踊りゃいいのか。