先週土曜の夜は国立のNO TRUNKSで峰厚介(ts)&林栄一(as)のデュオを聴いた。日野皓正なんかと同じぐらいの時期70年代後半〜80年代にものすごい人気があって、今も根強いファンを持つベテラン峰氏。NO TRUNKSにはこの日初登場ということもあってか、店内はかなりの盛況だった。普段はいわゆる中央線ジャズ系というかフリー寄りのライヴをよく好んで聴く自分だが、この日の峰さんのテナーはよく分からんがそれよりも正統派というか、王道というか、例えば去年ライヴを観たロリンズを思い出したりした、うわ、いいねえ持ってかれるなあこのソロ、と気持ちよく盛り上がる。ジャズ耳の基礎的な部分を試される。
この日2ステージともスタンダードばかりの選曲だったが、その中でも林栄一さんのアルトが独自の存在感を見せていていやすげえなあ、プロとして自分の表現をどういうところからでも出せるんだもんなあ。と言うか、ここ最近やたら林さんをライヴで聴いてて、先週水曜日の荻窪グッドマンソロにも行ったのだが、林栄一のアルトがほんとにようやく体で分かってきた。今までは孤高の世界みたいな感じでただ圧倒されていただけだが、何だろうなあ、グギャゴゴゴギャギャというようなフリーキーな音やノイズ、んでめちゃくちゃ深いトーン、そして巧さ、それらをトータルで聴けるようになってきた。