板橋文夫ミックス・ダイナマイト&趙博&大熊ワタル

有休をとった。3連休。キックの鬼①〜③まで昨日のうちに読み終える。読後爽やか、しかしそれと同じ意味で、梶原作品特有の濃さが足りない。
午後から出かける。目的地は門前仲町。ライヴを観るためなのだが、ライヴは夜からなので、それまではぶらぶら歩いたり、駅前の喫茶店に入ったりした。前日3時ぐらいまで起きていたので、夕方の喫茶店で1時間以上寝ていた。電車の中で聴いていたCDウォークマンには先日買ったマルの作品を入れていたが、なんかこれといった魅力が分からない。ハードバップ時代のよりももっと後の時代のほうが個性が出ているのかも。中山康樹氏の「ジャズを聴くバカ、聴かぬバカ」を読み終える。確かに、スウィング・ジャーナルの今月号の企画も「浮世離れしてる」感強いよなあ。俺買ったけど。
ビルの8Fにある門仲天井ホールという会場での今夜のライヴは、板橋文夫ミックス・ダイナマイト・トリオ&趙博というメンバーによる「ジャズ・ナイト」。ゲストに大熊ワタルが加わって、かなり強力なメンツだ。僕は趙さんはステージも初めて観るし、曲も初めて聴く。
まずスタートはミックス・ダイナマイト・トリオによる演奏。「門前仲町の夜」と名づけられた即興から「タンゴ‘99」という流れのすさまじいステージだった。その後に登場した趙さんが「楽屋で圧倒されてました」と半ば呆れたような発言をしていたが、本当にすごい。立ち上がって鍵盤をブッ叩き、ブッ叩き、ブッ叩き、ブッ叩き、それが絶頂をむかえた後、フッとものすごく優しく美しいメロディが奏でられる。今年板橋さんのピアノを僕は4回観たが、毎回このテンションだもんなあ、1年のうち全国で相当数のライブをこなしている板橋さんの体力・精神力はうかがいしれない。前半は上記の5人に加え矢野敏広さんがマンドリンで加わり、趙さんが自分の好きなスタンダード・ジャズを歌うという意外(?)な展開のステージだった。
休憩時間をはさんだ後半が素晴らしかった。まずミックス・ダイナマイト・トリオと大熊ワタルさんによる演奏。先日亡くなられたトロンボーン奏者・大原裕さんへ捧げられたバラードと「道化師」の2曲。大熊さんのクラリネットとミックス・ダイナマイトの相性非常によい。「道化師」なんかもう分けわかんない盛り上がり方だった。で、そのグワーッと上がってきた雰囲気のなか太鼓をもって登場した趙さんと、矢野さんがギターとマンドリンで加わる。ここで演奏されたのが今夜のステージで最高の見せ場となった「ヨイトマケの唄」。曲の序盤は趙さんの熱唱と太鼓と板橋さんのセンチメンタルなピアノに胸がせつなくなるが、ジワジワとドラマチックに盛り上がり、最後はステージ上全員がエナジー全開で、またまたもう分けわかんない盛り上がり。椅子に座った自分も含めた客席の人たちもここで立ち上がって踊るべきだった。帰りにこの曲が入ったCDを買ったが、聴いたらやっぱすごい。スピリッチュアル。
以前から拝見しているとても好きなサイトに2003年俺的ベストを載せていただいた。