エレクトリック・ノマド、空手バカ一代

有休をとる。平日休むというのも本当に久しぶりで、ようやく市役所へ行けた。そのほかにも髪を切りに行ったり、高円寺にライヴを観にいったりと振り返ると外での活動が多い一日だった。と言っても、午後3時ぐらいまでは家でずっと「空手バカ一代」を読んでいたから、動いていたのは夕方〜夜だけ。空は気持ちよく晴れていたからもったいなかったとも言える。
空手バカ一代」を購入したのは昨日。文庫版で全19巻のうち1巻〜4巻まで買ったのだが、今朝読みはじめ、3時までに一気に読みきった。よし続きを買おうと思って駅前の本屋に寄ったらなんと、ない。昨日まで置いてあった棚にない。なぜか「ギャラリー・フェイク」がそこには置いてあるのだ。場所移ったかな?と思って他の棚を探してもない。店員に聞くのは恥ずかしいので、あきらめて店を出る。昨日まとめて買っておくべきだった。まあしょうがない。ほか探そう。
ライブは高円寺ジロキチでギタリスト酒井泰三氏のバンドであるエレクトリック・ノマドを観る。ギター、ベース、ドラム、ヴァイオリンという編成。ベースは佐藤研二・ドラム佐野康夫、ヴァイオリンは太田恵資。太田氏はこのグループのときはエレクトリック・ヴァイオリンを弾いている。
このバンドが怒涛のごとく鳴らすヘヴィーでハードなグルーヴというのは、なによりも酒井泰三のミュージシャンとしての重要なコンセプトである。エレクトリック・電気という物質がつくりだす振動によって人間の身体と脳にいったいどういう反応があらわれるのか?ギターによるその実験を徹底的に推し進め、つきつめたのはジミ・ヘンドリックスであるが、泰三氏はそのコンセプトの追求を忠実に受け継ぎ実践している稀有なミュージシャンのひとりだ。彼が安易な様式的ロックにならないのは、「ジミヘンになろう」だとか「ジェフ・ベックになろう」といった思考停止に陥っていないから。今日のライヴでもストレートに見せつけられた、自らの理想の追求のために苦闘しながらもライヴでひとつずつつかんでいこうとするその様は古典的だけど、芸術家の本質的な姿を見せられているようで励まされたりもする。と大げさにいいながら実は彼のライヴは2回目なのでこの言ってることはかなり妄想が入っている。
ジェフ・ベックが出たところでついでにもうひとつ言うと、ベック新作のように安易な(と僕には思える)打ち込み音楽をやるよりは、泰三氏のようなバンドによるグルーヴの試行錯誤のほうが音楽的にはとても可能性があるように思える。その具体的な根拠を述べられないので説得力ないが。あともうひとつ佐藤研二氏と太田氏のトークはかなり笑えた。