グッドマンにて「罪人の庭園」

こんな時期にこんな暑さだと、今年はちゃんとした時期にちゃんとした夏がなかったんだなあと余計に寂しい気持ちになってしまう。まあそんなことはどうでもいいとして、今日は休みだった。しかし昼過ぎまで寝ていた。起きて、まず読書をする。悠雅彦の「ジャズ 進化・解体・再生の歴史」。マイルスとレスター・ヤングの奏法の特色が共通しているという記述になるほどと思ったり。続いてCDを聴く。「マックス・ローチ・プラス・フォー」が特によかった。
夕方になって、国立に行って買い物。ユニオンで3枚CDを買う。ソニー・ロリンズの「ドント・ストップ・ザ・カーニバル」、ポール・デスモンドボサノヴァもの、ガレスピー
その後は電車に乗って荻窪へ。即興音楽の巣窟(?)荻窪グッドマンでライヴを観る。本日は「罪人の庭園」と神田晋一郎(p)の演奏だった。神田氏はガット・ギターの人との共演、繊細のピアノが印象的だった。
非常に刺激的だったのが、「罪人の庭園」。高原朝彦氏(g)・Red(ターンテーブル)・そしてこのグッドマンのマスターでもある鎌田雄一(ss)の3名による即興演奏。RED氏の2台のタンテとサンプラーから放出される音と鎌田氏のソプラノと高原氏のギターが幻想的に絡み合ったり、攻撃的にぶつかりあったりする展開だった。
高原氏のギターはクラシカルな奏法で美しく静寂な世界をつくりだすときもあれば、すさまじい早弾きで一気に混沌の世界に突入したりと変化が多い。Red氏のタンテはヒップホップだが、音は太くはなくネタも琴の音を使ったりオペラの独唱だったりけっこうクセがある。その2つをまとめるというか全体の雰囲気を圧倒的に決めていたのが鎌田氏のソプラノ・サックス。激しいエモーションと郷愁的と言ってもいい優しく柔らかいトーンが共存する演奏はとても趣きの深さを感じる。マスターのときは何と言うか飄々とした佇まいの方なのだが、ひとたび楽器を持つと、音によって全てを解体して燃やし尽くそうとするインプロヴィゼーションの鬼に変わる。そんな大袈裟なことを言いたくなるような存在感だった。全体的には、特に2セットめでブレイクビーツにサックスとギターが絡んだあたりがとても興奮した。
休憩時間でこの店にあった内田春菊の「呪いのワンピース」を全部読む。http://apaches.hp.infoseek.co.jp/goodman/0003-Toilet/
今日のCDウォークマンズート・シムズ