板橋文夫ライヴ3

sabio2003-08-15

昼過ぎの新幹線に乗って、東京に。
新幹線の中では昨日と同じ板橋文夫のCDとソニー・ロリンズの「橋」を聴き、駅前の本屋で買った藤子F不二雄の短編集を読む。「橋」は3曲めの「ジョン・S」がおもしろい。
雨は降っていたが、新宿をぶらつく。紀伊国屋とユニオン・ジャズ館へ。
夜はピット・インで板橋文夫2DAYSの1日目があったので、それを聴きに行った。けっこうお客さんが多くて、開演前に客席がほぼ埋まっていた。今夜のステージは8名編成という板橋オーケストラ−4人という大所帯コンボ。
1曲目の即興からそのまま「ロイクラトーン」。この曲がこの日のベストだったと僕は思う。片山さんのゾクゾクする太く雄大なテナーがテーマを吹きはじめてから曲が終わるまでの20分以上の時間、僕は完全に音の世界に入り込んだ。その中でもとにかく尋常ではなかったのがやはり板橋さんのピアノソロで、ときには握り拳で叩かれる鍵盤には、板橋さんのまさに全身全霊がぶつけられていた。ライブの冒頭で、事故で急に亡くなった北海道の友人にこのライブを捧げるということを言っていたが、本当に魂の入った熱演だった。この日は全部板橋さんのオリジナルだったと思う。この曲のあとには、田村夏樹さんのトランペットのリフが印象的な戦争反対シリーズ第3弾「悲しき兵士」。最後にロマンチックな「七夕様」と1セットめは雰囲気がばらばらな曲が演奏されていた。
2セットめは1曲目が新曲、多分、「白のタンゴ」と言っていたと思う。まとまった構成で、テーマは板橋さんらしいシンプルで馴染みやすいメロディ。中盤のソロが吉田さんのバリトンだったかな?かっこよかった。そのあとが、多分「悲しみのむこうに」?それから後半のハイライトとなった、とても盛り上がった「サンパウロ」。最後はちょっと曲名が分からない。ラーラ・ラ・ラーラッ!とみんなが叫ぶアグレッシブな曲。この曲での片山さんと福原さんのソロがよかったな。全体的な構成としてはけっこうラフだったが、さすがにミックス・ダイナマイト・トリオのところは安定していたような気もする。フロント4人は片山さんが中心となってまとめてという感じだったか?アンコールは多分「グッドバイ」だと思うが、板橋さん一人の演奏で、けっこうしんみりときた。