ロシア行き壮行会に参加。

午前中は仕事。終わって国立のスタミナ丼を食べ、その後は駅前のユニオンに。以下はそこで買ったもの。ドン・チェリーの「ヒア・アンド・ナウ」、マイルスの「ライブ・エヴィル」、マイルスの「ダーク・メイガス」、タイトルが「ニュー・ジェネレーション」のロシアのジャズ・グループの作品、ジョルジオ・ガスリーニの「MULTIPLI」、「ザ・アート・オブ・ジェリー・ミルガン」、山下洋輔の「スウィングしなけりゃ意味がない」、仙波清彦の「ジャスミントーク」、ユッスー・ンドゥオールの「ザ・ガイド」、ブルース・スプリングスティーンの「ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ」。すべて中古CD。
いったんそれらを家に置きに帰る。今度は立川駅へ自転車で行き、そこから電車に乗って西荻窪に。「音や金時」での「私の庭」のライヴに行った。「私の庭」はボーカルの石橋幸(通称タン子さん)のグループ。緑化計画のチェロの翠川さん、パーカッションの石塚俊明さん、パスカルズの金井太郎さん、そしてロケット・マツさんが参加する5人編成で、主にロシア民謡を演奏している。来月このグループでロシア・ツアーに行くそうで、この夜のライヴはその「壮行会」と銘うたれていた。客の年齢層はけっこう高く、50代らしき人たちが多かった。ロシア民謡を正面から聴くということもなかなかないので、どういうものなのかなあと当初思っていたが、まずそんな客層で軽いショックがあり、またそれが楽しかった。本場のロシア民謡がどういう演奏をするかは知らないが、「私の庭」の演奏はときには陽気で騒がしく客を踊らせ、ときには深い悲しみの感情を客の胸に湧き上がらせたりと、非常に表情豊かなものであった。老若男女・いろんな職業の人の人生を情感たっぷりにエネルギッシュに唄いあげるタン子さんを支える4人の音楽家。翠川さんのチェロの荘厳で物悲しい響きは人の心の根底をギュッとつかむもので、金井さんの美しいアルペジオと激しいカッティングはタンコさんの唄にぴったり寄り添い、ときには彼女以上の情熱で唄う。鈍感な耳をハッとさせられる石塚さんのトランシーなパーカッションと、アコーディオンやトイ・ピアノやおもちゃの笛を演奏するマツさんの独自で最高なマツ・ワールド。個性的な5人の音楽はロシア民謡というコンテクストにゆさぶりをかけ聴き手の心を刺激し、しかしロシア民謡の世界の本質を表現しようと努める。「ロシアで唄われていた民謡が海を渡って日本でこんな変なものになったことをロシアの人たちに聴いてほしい」(タン子さん談)。最後のアンコールに応え一人で唄ったときのタン子さんはとてもかっこよかった。ツアーがんばってください。酒もけっこう飲んだし、とにかく今夜はおもしろい空間だった。