高柳、秋吉、古澤良治郎「12,617.4km」

 仕事は7時過ぎまで。帰りに寄った立川駅前のチェーン系ラーメン屋の「味源」で、ラーメンと餃子のセットを頼んだら生ビールもサービスでついてきた。今日の一番嬉しいできごと。
 家に帰るのもあれだなと思って、2時間ほどエクセルシオールカフェで読書とipodでの音楽鑑賞。音楽は、高柳昌行の「ロンリーウーマン」と秋吉敏子秋吉敏子ソロ・ピアノ(紙ジャケット仕様)」。一音一音の濃密さ、冷徹な技術と初期衝動のせめぎ合い、自分を突きつめていく徹底した姿勢、などなど、この日本のジャズの第一人者の2人の独奏を聴いていると、ガツン!と打ちのめされ、しかしその後非常に凛とした気持ちになる。“和ジャズ”なんて卑屈な形容は、この2人の音楽には一切必要ない。
 22時過ぎに店を出て、家に帰る。
 引っ越して、部屋でアナログを聴ける環境・スペースができたおかげで、レコードがじわじわと侵食するように増えてきてる雰囲気あり。ネットで買うにしても中古屋行っても、CD化されてないけど聴きたかったやつとかガンガン買ってる。もうこうなるとキリがなくなってくるのだろう。ブルーノートのオリジナル盤が欲しい!とかそういう物欲的というか俗物な感覚は全く理解できないが、出会っていなかった凄い音楽に触れられるという意味で、アナログ市場にはやはりわくわくする。
 最近良かったレコードは、古澤良治郎の「12,617.4km」という作品。1980年にコロンビアから出たライヴ録音集2枚組だ。中古で¥800で購入。
 若き日の本多俊之や広木黄一や大口純一郎や高橋知己が参加している古澤バンドの陽性なポップさも良いが、この盤が凄いのはなんと言っても2枚目A面だ。1曲目が山下洋輔(p)&川端民生(b)&古澤のビリビリと張り詰めた骨太のフリージャズ。やっぱり山下洋輔って凄かったんだなあと、バカみたいな感想が思わず口に出てくる凄い演奏だ。 そして2曲目ではその3人にこれまた絶頂期の渡辺香津美のギターが加わる、怒涛の力技ジャズ。なんなんだろうなってぐらい、音がもうほんと生きている。
 日本のジャズ、掘りがい相当にあり。再認識。