高柳、渡辺、プライド

 休みの前日のお決まりパターンで、昨夜の仕事帰りは思いっきり酒を飲んだ。しかし吐くまでというのも久々。昼過ぎに二日酔いの状態でようやく起きたら、妻は友人の結婚式にすでに出かけていて、部屋には自分一人だった。
ジャズ&ボッサ(紙ジャケット仕様)
 腹減ったなと、近くのスーパーにチキンカツ弁当を買いに行く。部屋でそれを食べながら聴いていたのは、高柳昌行の「A Jazzy Profile Of Jojo」、渡辺貞夫ジャズ&ボッサ(紙ジャケット仕様)」。
 前者は先月に初CD化された作品。フリージャズあるいはノイズではなく、クール派サイドの高柳(70年録音)。どこか当時の歌謡曲的雰囲気が漂う楽曲のアレンジはちょっとミスマッチだと思ったが、彼のギターの一音一音の密度の濃さ、曲がりくねるようなアドリブの独特な旋律は聴かせる。ノリ一発的なものは排除し、エモーショナルなブルース・フィーリングをあえて外に出さない、凛とした音の佇まい。ビバップ以降、ジャズとダンス・ミュージックは切り離されたという説があるとしたら、その路線を日本で忠実に追求・実践して発展させようとしていたのが高柳なのだろうか。そんなことも考える。
 後者はずいぶん前に中古で買ったやつ。日本のジャズ史的に、重要な盤であるらしい(66年録音)。アルバム前半(ハード・バップ〜モード)と後半(ボサノヴァ)で内容がずいぶん違う。特に前半での、富樫雅彦のドラムにグーっと聴き入る。キレのよさ、力強さ、グルーヴ、バネ、素晴らしい。なんだろうなあロイ・ヘインズとか思い出すかな?違うか。
 ふとテレビをつけたら、「PRIDE30」が放送されていた。総じて退屈。思考が単純で感覚的な自分には、はっきりいって技術論とかはどうでもいいのだ。キャラ立ちしてなきゃ、馬鹿馬鹿しくなきゃだめ。要するに、梶原一騎的ロマンがなきゃだめ。だから、ハッスルなんかは好きだ。試合はまだ見てないけど、ジャガー横田を登場させてデビル雅美と対立させるあたりとか、プロレスファンのツボ心得てるなと思う。センスがよい。