エルヴィン・ジョーンズ一周忌特集

 仕事は午後6時過ぎにきりあげる。いったん家に帰って夕飯を食べた後、国立ノートランクスへ自転車で。エルヴィン・ジョーンズ一周忌特集を聴くため。
New York Is Now!

 9時近くだろうか、店に入ったときに流れていたのは、オルガン奏者ラリー・ヤングブルーノート・リーダー作。グラント・グリーンサム・ジョーンズも参加してる。エルヴィンのドラムのうねるようなグルーヴがもうやたらかっこよい。
 カウンターに座り、その後、一人で瞑想世界に入ること約3時間。浮世離れもいいとこだ。
 ビールと芋焼酎が相当に入った状態の頭を振り絞って、自分が店にいたときにかけられていた作品を書き出す(はっきり分かるのだけ、アマゾンへのリンクあり)。

●国立NO TRUNKS・エルヴィン・ジョーンズ特集、5月18日、20時45分頃〜0時までのリスト。
ラリー・ヤングInto Somethin
②「FIRST TIME EVER
③インパルス64年、マッコイ・タイナーのピアノ・トリオ(プレイズ・エリントン)
ローランド・カークリップ、リグ・アンド・パニック
オーネット・コールマンNew York Is Now!
⑥「Bill Frisell with Dave Holland and Elvin Jones
⑦プーさん・72年のトリオ
マイケル・ブレッカーの99年の作品
リー・コニッツMotion (Dig)
⑩57年トミフラ・トリオ「Overseas」(SJの最初の金賞らしい)
⑪ロリンズの「Night at the Village Vanguard
で、ラストは、⑫コルトレーンの「Kulu Se Mama」。


 途切れないパルスの緊張感。そして、うごめき、跳ねて、爆発するものすごいドラムが生みだすスウィング感。60年代の①③④⑤に、特にそのエルヴィンの魅力を強烈に感じた。
 ②〜⑤のあいだは曲がかかってからしばらくジャケットの方に目を向けないで、個人的にブラインドテストをおこなう。
 ブラインド正解は⑤だけ。ときどき出てくるフレーズのユニークな尖がり感はオーネット特有だから。しかし自身のグループで当時放っていたポップな明るさを抑えた、ブルース色が強いどっしり構えたここでのオーネットの演奏は凄い。やはりコルトレーンのリズム隊が引き出しているのだろう。ものすごくスリルがある。
 あれ、サックス、ドルフィーかな?いや違うな・・・と迷ったが、結局カークの名は自分の頭に浮かばなかった④。これも好きな音だ。濃い。ジャッキー・バイアードとエルヴィンといえば、もう今年自分の中では最大のヒット、「Sunshine of My Soul」でのゴツい名演が頭に浮かぶ。相性かなりいい。
 相性のことで言うと、②でのゲッツとエヴァンスとエルヴィン、これ正直合わないなあと思った。ゲッツが多少でもフリーキーに近づけようとすればするほど、なんだか中途半端になる。エヴァンスも噛み合ってないような。そもそもこの面子が共演してたって、初めて自分は知った。
 音を聴いたのが上記②のあとだということもあるのか、すごく燃えたのが③。あれ?これジャッキー・バイアードだっけ?と、LPに目を向けたところ、マッコイとエリントンのアップ写真がジャケにでかでかと。黒さ丸出しのピアノトリオ、張りつめた感じがまた素晴らしい。ああ、自分はこういう音がやっぱ好きだなあと、あらためて思った。