ディキシーランドジャズ入門

 先日古本屋で見つけ購入した「ディキシーランドジャズ入門」を読んでいる。荒地出版社というところから出た油井正一・編でおそらく40年近く前の単行本。内容的にはここから名著「ジャズの歴史物語」につながっていく感じ。「ディキシー〜」という題名よりももっと広範囲かな、ジャズの発祥からビバップ誕生前までが分かりやすく整理してある。

 ラグタイムという名の起こりについては、次のようなエピソードがある。南部地方のダンスパーティーの時、一人の黒人がバンドに向かって「ほら、あのずれた拍子のやつをやってくれ!」と言ったことから、以来ラグタイムという言葉が使われるようになったというのである。
 それはともかくとして、通常ならば第一拍と第三泊におかれるアクセントを、第二拍と第四泊におく・・・・というふうにアクセントが逆の位置におかれている。その点からラグ(こわれた、ずれたなどの意)タイムと呼ばれるようになったという。(第2章「ジャズの歩み」中江克己)

 
 その後、ニューヨーク・ハーレムで、ジェームスPジョンソン、ファッツ・ウォーラー、エリントンらがそのラグタイムを基礎としてさらに複雑・高度な「ストライド・ピアノ」一派をつくりあげる。セロニアス・モンクなんかもそのラインにいるんだよな。「こわれた、ずれた」って、まさに自分が初めてモンクを聴いたときの印象だ。そしてそれがすごくかっこよく聴こえたんで、僕はジャズを好きになりだしたのだ。
 相変わらずそんな浮世離れな思いを巡らしていたが、尼崎の脱線事故の状況を伝える夜のニュースを見て、胸が非常に苦しくなる。妻の弟への編集CD−Rをつくりながら酒を飲んで、寝た。