この日のステージは、高橋知己(ts)カルテットで、パーソネルは、津村和彦(g)嶋友行(b)工藤悠(ds)。
 アケタに初めて行ったのは、一昨年の7月で、そのとき演奏していたのがこの編成の高橋知己グループだった。ジャズ聴いて日が浅かった当時、このグループの(ありきたりな言葉で言うと)「渋い」演奏に自分の耳はほとんど反応していなかったと思う。聴き方が分らなかったというか。下手したら寝てた可能性もある。しかし、当時の自分の日記を読むと、「エレクトリック・マイルスやフリージャズだけでなく、パーカーなんかもちゃんと聴こうと思った。」なんて書いてるので、何かのきっかけには確実になったライヴだったと記憶する。
 さて、あれから2年近い時間が経過して、自分の耳はどう変化・成長したのか?そんな思いも多少抱いてライヴに臨む。
 高橋さんのテナーって、一昨年の記憶以上にざらついたというかハードなトーンを出すんだなあということをまず思った。そしてやはり記憶以上に、スウィング感・ノリというよりは、テクニカルにフレーズの細切れを重ねあわせるタイプなんだなとも思った。そういえば1年に一回、ピットインでコルトレーンナイトやったり、エルヴィンと共演してたりという人なんだよな、たしか。
 ただ自分としては、おそらくそういう高橋さん本来の硬派路線とは違う、ちょっとボサノヴァ入った跳ねたリズムのポップな楽曲に耳が行った。特に津村和彦さんのギターがすごくいい感じの甘さを醸し出していて。僕はこのギタリスト、すごく好き。