その後、アケタの店でライヴを聴く。個人的には今年初のアケタの店、店内には去年以来ある故・武田和命さんの写真のほかに、やはり亡くなったベースの川端民夫さんのモノクロ写真も新たに掲げられていた。


さて、この日のステージは緑化計画。パーソネルは、翠川敬基 (vc) 片山広明 (ts) 早川岳晴 (b) 石塚俊明 (per)。1年半ぶりぐらいに聴くかな?アケタなんかのジャズ系ライヴハウスに通うようになって日が浅かったあの頃聴いたときは、このグループの音楽って正直難しくて分からなくて、漠然と「フリージャズかあ」ぐらいに思ってそこでストップした。ハードル高いなあ、と。


ぶっちゃけて言えば、この日ライヴ聴いて抱いた感想は1年半前とそんなに変わらない。
チェンバー系のフリージャズ?いや、そんな安易な括りではいけないか。片山広明の思いっきりコブシの聴いたテナー、激情的なトシさんのドラム、いつもよりはファンク度は低いがやたらゴリンゴリンしている早川さんのベース。で、彼らの音をコントロールする翠川さんのチェロ。
自分のような黒さをわりと基準に置いたジャズの聴き方をする人間にとっては、馴染みやすくないと言えば馴染みやすくない音楽。


これは結局、翠川さんの音楽世界が強力な磁場をつくっているからだろうなと思う。翠川さんとほかの3人のせめぎあいという図、逆に言うと、翠川さんの捉えどころのない大きさあるいは孤高なポジションが分かったというか。

自分にもっと音楽のまともな知識があれば、うまく捉えられるのだろう。ただこういうすごい左派な音って、刺激になる。