さて、先週の金曜の話だが、林栄一&竹内直デュオのライヴを聴いた。場所は国立NO TRUNKS。
この二人の組み合わせって珍しいのかな?林さんのサックス・デュオといえば、昨年夏の峰さんとのを聴いて以来。ちなみに竹内さんの演奏に接するのは自分は初めてだ。


1セットと2セットの中で、セロ二アス・モンクの曲を4曲ぐらいやっていた。あとはフリー色の強いインプロ。勝手に想像していた以上に竹内さんの音が尖がっていて、はまった。バスクラの妖しさと美しさがまた新鮮。
で、それらを引き出し、呼応した林さんの演奏がまた凄かった。なんか最近で一番よかったんじゃないかな?


林栄一さんの演奏を聴いていると、とどまることにこそジャズの本質はあるのではないだろうかと強く思えてくる。一点にとどまり、その点に実は存在するひろーくふかーい空間を掘り下げていく作業。林さんの世界で聴き手の自分が結局のところ聴き見つめているのは、その「点」であり、そしてその「点」に存在する日常では見過ごして見落としている空間が、林さんのサックスによって繊細に激しく浮かび上がってくるのだ。
まったく意味不明ではあるが、そんなふうに思えて、とても感動してしまった。