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起床は8時。朝飯食って、昼の出勤前までは音楽鑑賞に集中する。昨日、国立で買ったレコードをひたすら聴いた。まず、大好きなアート・ペッパー後期のヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ盤。これは¥700で購入した、中古輸入盤アナログ。レコードの音ってほんと迫力がある。しかしこの盤に関してはペッパーのアルトの音がでかすぎて、ちょっとやばいかな、隣りの部屋から苦情くるかな?なんて思いながら聴いてたから、どうも集中できなかった。出勤前ということもあり、気持ちに余裕がなかったのかもしれないが、今朝はペッパーの渾身の演奏にいまいちはまりきれない。
それで、もっと気楽なハードバップをと思い、キャノンボールのマーキュリー時代のデビュー盤をかけた。これは¥500ぐらいだったかな?コルトレーンにも影響を与えたと言われるキャノンボールの「野性的なタレナガシ・スタイル」(©油井正一)は、原型はもちろんあるのだが、その後のマイルス・コンボ時代のときよりはグイグイ持って行かれる感が少なく、若々しいというかなんか元気いっぱいという印象。ところで、楽器は違うけど、僕はキャノンボールよりも兄のナット・アダレイが大好きで、彼のトランペットの勢いにはいつもテンション上がる。
正直キャノンボールのこの作品もいまいちかなあと思い、次にかけたアート・ファーマーの「モダン・アート」というアルバム、ちなみにこれは¥400ぐらいで買ったのだが、今朝いちばん盛り上がったのはこれだった。叙情を感じさせるファーマーのトランペットやビル・エヴァンスのピアノというよりは、もうベニー・ゴルソンのイッタレイッタレのテナーのベロベロベロロロローーというブロウにやられた。これぞサックスのブロウの手本。野性的なタレナガシ系の典型。ゴルソンでほどよく元気出てきて、仕事出かけ、グターっと疲れ酒飲んで、今に至る。
昨夜モンク後期のライブ盤を部屋で寝っころがりながらボーっと聴いていた。枯れてはいるがやはり非常に変な響きと動きの彼のピアノが自分の体に染み込んできたとき、ああこういう時間を俺は大切にしなければいけないんだなあとなんかすごく思った。で、自分が音楽を聴く際の意識をあらためようと決意した。とまあ大袈裟に書くとあれだが、具体的には、ネットをしながらとか本を読みながらCDやレコードを聴いたりするのはなるべくやめて、聴くときはもうそれのみに専念しようという当たり前でシンプルなことを毎日実践しようと思ったのだ、たとえ30分でも1時間でも。音楽を愛すると自認する人間ならまあそんなこと当然やっているんだろうけど、自分は中途半端なんでついつい安易な方に流されてしまうのだ。
さて、個人的には昨日はとても重要な日だった。ipodで流れた友さんのこの曲でほんとに泣きそうになった。

ねえ、どんな気持ち/こんな気持ちさ/ぼくらの手の中の星/雨がザーザー降った/季節がワッサワッサと過ぎた/そして雨が上がった/そして7年が過ぎた/ぼくは君といて幸せだった誰よりも(友部正人・「シャンソン」)