ipodに入れていた中から流れた曲で今日最も印象に残ったのは、アート・ペッパーの「サマータイム」。「ジ・アート・オブ・ペッパー Vol.3」という作品に収録されている。半年以上前に聴いたときはひっかかるものがなかったが、やけに今日はよく聴こえた。ちなみにこの作品は1950年代の録音。ペッパーに関してこれまで僕は、彼のヤク中からの復帰後つまり70年代以降の作品ばかり好んで聴いていたんだが、初期もいいっすわ。その演奏には哀切や感傷というよりは、俺に触ったらキレるからな触れんじゃねえーぞみたいな危ない感じが意外にする。ペッパー復帰後断固支持派のジャズ評論家岩浪洋三氏は「50年代と復帰後は別物と考えたほうがいい」と言ってるが、どうかね。攻撃性というかヒリヒリ感というかそういった本質は同じような気がするなあ。しかし、晩年における彼のアルトの音色や間は確かに異常に素晴らしくまたソウルフルであり、特にアルバム「ウィンター・ムーン」(80年)は、以前も書いたが、現時点で僕が最も好きなジャズの作品のひとつだ。ちなみに先日買った「JAZZ名演ザ・ベストCD」(宝島社)でもペッパーの名演としてその「ウィンター〜」の「アワ・ソング」が挙げられていた。