自転車でゆっくりと家に帰りながら聴いていたのは明田川荘之「プレース・エバン」(2002年)。ピアノ・ソロのタイトル曲が胸をうつ。切なさと優しさが剥き出しになった冒頭のテーマのメロディで、もうこりゃすげえやとなるのだが、何となく感情の表面だけを掠り取った小奇麗で無味乾燥としたジャズとはまったくかけ離れた、心の琴線に触れまくる名曲・名演だ。ここ数日僕はホレス・シルヴァージョニー・グリフィンといった50年代の濃いハード・バップを好んで聴いている。そんななかで今日はこの作品を聴いていたのだが、アケタ氏のこの作品はその流れにぴったりはまった。前衛芸術的ではない大衆的・庶民的なジャズとでも表現できるだろうか、フリーキーなカラーは薄く、曲もシンプルな進行である点がハード・バップと共通していると思う。その中にハイレベルな技巧というのが実はたくさんあるのだろうが、僕にはよくわからないし、まあ聴いて盛り上がればそれでいいのだ。ホレスやグリフィンと同様に、理屈抜きの熱さと真剣さとイケイケな楽しさがある。
家に着いて、今週の疲れかダラーっと横になる。ライヴに行く気力も体力もなく、ずっとテレビを見たりしていた。ミュージック・フェアを見ていたら、ユーミン特集をやっていて、そこでの稲垣潤一がドラムを叩きながら歌っている姿になんかインパクトがあって見入ってしまった。あと土曜ワイド劇場「家政婦は見た!」を見た!。