ミステリオーソ

夜は9時ごろまで仕事。
行きと帰りで聴いたのがベーチャンとモンク。前者がリズム&サウンド「ザ・ヴァージョンズ」で後者が「ミステリオーソ」。
ベーチャンのはエレクトリックギターがいい具合に響いている3曲目に興奮。
しかしながらそれよりも興奮したのがモンク・カルテット。絶妙でユニークなモンクのリズム感覚は、ソロよりもグループでやっているときの方が数段素晴らしさが増す。彼のピアノを耳で追っかけるうちに、自分の体全体がそのリズムに支配される。多かれ少なかれ音楽のリズムにのっているときはそういう状態になるのかもしれないが、何と言うのだろうただ決まったビートに合わせて踊るといった感じではないのだ。ズレと反復によって生まれる聴き手の恍惚状態とでも表現したらいいのか、とにかくジワジワとはまってしまう。このライヴ盤にはそういうモンクの世界が見事に記録されている。
そしてもう1人の主役、テナーのジョニー・グリフィンも見事。やっぱりグリフィン最高!と叫びたくなる激しくイケイケのブロウによって、この作品ではモンクと対等と言える個性を輝かせている。マイルス・デイビスが自伝で、モンクの音楽に合うのはコルトレーンのようなプレイだと述べていたが、音の数が多いという点ではコルトレーンと通ずるグリフィンもやはり同様にモンクと相性が非常にいい。