追悼

青木雄二さんが亡くなったことを今知った。肺ガンだったということだ。
学生時代に僕はモーニングの「ナニワ金融道」を愛読していた。単行本も全部買い集めた。青木さんのようなリアリズムこそが自分がこのさき資本主義社会で生きていくのに必要なものであるのだと、当時はいつも考えていた。
あれから何年もたって今はどうかと言えば、はっきり言って自分の現実をどうこうしようとも真剣に考えていない。考えていたとしても疲れたとか言って夜に酒を飲んで結局寝てという毎日だ、ほんとに驚くほどに。それに対して悔しいとかそんなこともあまり感じていないのかもしれないし。
青木さんが常に言っていたのは、「資本主義の鉄の法則は何もしないお前のことなんか考えてくれないよ、何とかしたいと思うなら、状況に対して自分の頭で考えて行動しなければいけないんだよ、結局!」そういうことだった。自らの苦労した人生経験に基づく世界観から発せられた激にポイント・ポイントでけっこう励まされた。せっかく老後を悠々と暮らせるはずだったろうに・・・と思うと、本当にやりきれない。青木さん、ありがとうございました。これから自分はもっとちゃんとがんばります。ご冥福をお祈りしますとかは、唯物論者の青木さんに言っても怒られるだけだ。