パスカルズとかぼちゃ商会

sabio2003-07-18

仕事を早々に切り上げ、渋谷に向かう。エッグサイトでのパスカルズとかぼちゃ商会のジョイントのライヴを観に行くためだ。
パスカルズを観るのは1月の新宿でのインストアライヴ以来のこと。今年1月の友部正人さんの30周年記念コンサートにおいて初めて僕はパスカルズの存在を知った。パスカルズというバンド名はフランスの音楽家パスカル・コムラードからとったそうで、彼のことが非常に大好きなロケット・マツさんが彼のような音楽をやろうと思いこのバンド、パスカルズを結成したということだ(95年?)。メンバーは14人ぐらいで、リーダーのマツさん、「たま」の知久さん・石川さん、坂本弘道さん、横澤龍太郎さん、「兄弟」のあかねさん等、個性が強くかつ不思議な面子が揃っている。編成も変わっていて、ヴァイオリンが3〜4人、ピアニカ、アコーディオンバンジョー、ギター、ウクレレマンドリン、チェロ、ドラム、パーカッション、トランペット、サックスなど。その他トイ・ピアノやおもちゃの笛や口琴なんかも曲によっては使われている。で、肝心なパスカルズの音楽はどんな音楽なのかというと、実は表現するのが難しい。一言で言えば、コムラードのようにいろんなジャンルの音楽を大集団でユニークに演奏している、という非常に稚拙な表現だが、まあそういうことなのだが、この日のエッグサイトでも黒澤明の「どですかでん」のテーマ曲や、(多分)ダラー・ブランドの曲なんかを演っていた。昨年出た彼らのセカンド・アルバムの帯には「パスカル・コムラードの魂の子、ヤン・ティールセンの小さな親戚、ブライアン・イーノの孫、と各国で評されたパスカルズ」とあるが、ヤン・ティールセンって聴いたことないな。イーノは2枚ぐらい持ってるかな。
決して高級ぶらず敷居も低く、一聴すれば世代・性別問わず多くの人が好きになる音楽で、かつ本当に素晴らしく個性的な音楽性を持ったバンド、パスカルズ。ロマンチックでユーモアがあって大人で、世の中に媚びないバンド、パスカルズ。抽象的だな。まあ、マツさんはこの日も「堅苦しくならず、ゆっくりのんびり聴いていって下さい」というようなことをMCで喋っていたので、大袈裟なことを言っても野暮なだけだ。この日のエッグサイトでは全部良かったが、特に「326」はジーンときた。
本日もうひとつのバンド、かぼちゃ商会。初めて観たが、かっこいい。「新世代のチンドン屋」として、実際、各地の商店街のイベントなんかでもライヴをおこなっているということ。この日は女性6人の男性2人の構成。女性が揃いも揃ってかっこいい。編成はトランペット、トロンボーン、テナー・サックス、アルト・サックス、テューバ、ドロス、チンドン、ギターなど。特にかっこよかったのが、中盤の新曲の「伊豆」というジャズ。「グリニッチ・ヴィレッジのアルバート・アイラー」なんかを思い出す陽性のアナーキーさ。それとシカラムータなんかも思い出した。と思ったらメンバーのトローンボーンの人がシカラムータに参加しているとのこと。良かったので自主制作のCD「かぼちゃのみのり」を帰りに買ったら、この作品はジャズ色はそんなに強くなく、沖縄の歌なんかもやっていた。
アンコールでは2バンドがいっしょに「ウェディング・ポルカ」を。まさにチンドン屋風に全員が客席のまわりを歩きながらの演奏だった。