引越し、久保島直樹、内田春菊

午後はまたしても荷物運び。引越しなどの荷物運びには力よりも頭と技術が大事で、その場その場で的確な状況判断能力が要求される。なるべく作業を効率的に行うためにも、また作業をする人間たちの肉体的・精神的疲労を少なくするためにも、現場を指揮する者の役割はもっとも重要。その点で自分は指揮を受けてただ運ぶほうに向いている。荷物の持ち方までも含めて指導してもらって、全部受け身でお願いしたい。こういうところで、ちゃんとできる人こそが本当の社会人なんだろうなと思うよ。まあいいけどさ。
疲れながらも、仕事が終わり荻窪グッドマンに向かう。今夜は海道雄高(b)と久保島直樹(p)の2組の出演の4セット。後半に2人の共演と、女性ボーカルを入れてのスタンダード演奏があったりとけっこう盛りだくさん。海道氏のウッド・ベースのソロは2セットとも、静かな弓弾きから始まり静かな弓弾きで最後は終わるという構成。中盤から後半の指弾きでのメロディの反復がじわじわと激しくなるあたりは、とても聴き応えがあった。久保島氏のピアノを聴くのは2回目となる。意表をつかれたがその美しさにうっとりさせられた「見上げてごらん夜空の星を」から始まりスタンダード中心の選曲だった久保島氏のピアノ・ソロというのは、インプロヴィゼーションの巣窟(と僕が勝手に思っている)グッドマンにおいては一見意外なような気もする。流暢に旋律を奏でるというよりは、フレーズにしっかりと魂をこめて吐き出すといった印象のその演奏は、それがバラードでもアップ・テンポな曲においてでもとても実直な感じがして感動的でもあった。モンクなんかも思い出す崩したリズムというか、間(ま)も良かった。
この店に来ると必ず読む内田春菊、今日は「あなたの世間体」を全部読んだ。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/408862338X/qid=1063451549/sr=1-2/ref=sr_1_0_2/250-7685093-2772249